武術の実践哲学 宇城空手【宇城憲治】の感想・レビュー

今回は昨年発行されたばかりの宇城憲治先生の最新刊を紹介します。

第一章から第七章まである中で5点をピックアップしました。

  • 武道の原点
  • 身体脳の開発
  • 呼吸と呼吸力
  • 武道の原点を考える
  • それからの宇城空手

本書は『武道の原点』『武術空手の知と実戦』『武術空手への道』の三冊を再編集の上、一つにまとめ、著者の宇城憲治先生に加筆、推敲いただいたものです。

目次

武道の原点

この章では、宇城先生が最初に出された『武道の原点』からの内容になっておりますので、先生が空手を始めたきっかけも含まれているため約20年前に出版されましたが、そういう意味では約50年以上前を振り返ったものということになります。

最初に入門動機について・技のレベルについて・空手観が変わったきっかけ・それからの空手といったように武道を学ぶという事の本質が非常に解りやすく書かれております。

中でもスポーツ空手と武術空手の違いを明確に書かれている部分は、私にとっては心動かされるものがあります。

それは、やはり本物の武術空手の学びには根本に【心】があり自己の成長へ向かう絶対的な世界がある調和融合ということに対し、スポーツ空手には勝敗にとらわれた稽古により相対的な世界で衝突を生む相反するものであることがハッキリと示されているので善悪が未来に向けて答のある内容だからです。

選択するのは学ぶ側の心次第であり、その心のあり方が重要性を持つと思いますが本書の様に解りやすく答が書かれているのは出来る先生だからこその深さが感じられます。

勝ち負けや優劣を競い衝突を生む世界を選ぶか、自己の成長へ向かう調和融合の絶対的な世界を選ぶか、この章では空手の域を越えた未来への答があります。

身体脳の開発

この章では身体脳の開発について武術空手の奥深さが多く書かれています。

身体脳の開発について非常に重要なところは?

武術における術技の無意識化とは、最初に意識して覚えた技を、技から術への段階で無意識化するというものです。そのためには、身体脳によって最初から「無意識の記憶」をさせなければなりません。

というように書かれておりますが、この他にも重要なことで【虚と実】【三つの先】【見るから観るへ】【心と意識】【とらわれない心】など非常に多くが詳細に説明されております。

全てを含めて武術空手には身体脳を目覚めさせる原点である型があります。その型を毎日稽古する一つである一人稽古は身体脳の開発においてもっとも必要だと言えます。そして、稽古が24時間を通して頭から離れなくなった時、本当の深さ、本当の楽しさは見えてきます。

私はまだまだ未熟者ですが、希望がある未来へ向かう生き方が人生を好転させていくと思います。

ゆえに、武術修行者のみならず多くの人々に幸せへ向かう1冊であることはオススメします。

呼吸と呼吸力

この章では呼吸から呼吸力へという事で【武術の呼吸】【正しい姿勢と身体の呼吸】【呼吸から呼吸力へ】【内面のエネルギ-を創る呼吸】などなど、こちらも多くの呼吸についての詳細が書かれております。

呼吸の延長線上には力に頼らない力、ゼロの力、瞬発力などがあり、その発見には数限りないものがあります。

この章の中で私が印象的だった部分は、相対から絶対の世界へという事で武術的身体を創造するためには、絶対的世界の中で稽古し、相対的世界に心が動かされなくなることが必要だという所です。そして、ここでも心のあり方の重要性についても書かれています。

筋力トレーニングなど力による概念が筋力を主体として考えられるのが常識とされてますが、呼吸と呼吸力を主体とした方向へシフトすれば生涯を通じて向上が期待できますので御存知ない方には非常にオススメです。

武道の原点を考える

武術でいちばん肝心なのは自分が実際にその技が使えるかどうか】すなわち、できるかできないかということです。

と、この章では先生のインタビューとなっています。

その中でも多くの重要な内容が書かれているのですが、防御からの攻撃が基本となるところに武術とスポーツとの違いがあると思いますね。

この章は、先生の本音が聞けて武術のみならず人生を良くしていくヒントが多く示されており、学びのプロセス守・破・離の教えは多くの世界で今もなお必要だと思います。現代では師も持たず型もない我流が自由だと勘違いされておりますが本来は、型があるからこそ型破りという言葉がある様に師を持ちゼロから学ぶ事は非常に大切な部分であると私は感じます。

時代は横着になり人間力の低下は避けられない環境にある日本ですが、大切な日本の伝統文化・歴史を学び日本人の誇りを取り戻す意味でも、本書はオススメしたいと思います。

それからの宇城空手

この章では、非常に簡潔にもっとも重要なことが書かれています。

20年前から、その本質は全くブレていないという宇城先生の心は常に【心】の重要性を説かれています。先生の持論である【進歩成長とは変化することである 変化するとは深さを知ることである 深さを知るとは謙虚になることである】この言葉にプロセスは集約されてます。

そして、この先生の言葉には全ての答と言っても良い事だと思われますが、【宇城空手二十年の歩みの中で「気」のエネルギ-の無限性に気づいたことで、すべてとの調和こそが、エネルギ-を生み、その度合いがエネルギーの強さになるということが見えてきました。】というところは未来へ向けての希望だと確信します。

私は本書を読んで変わったと言うよりは、先生に出逢い師事していることにより人生が好転したのですが宇城憲治先生と接点がない方や現在悩みや不安を抱えている方など、多くの方々に本書が人生を大きく好転させる指南書となることを切に願います。

まとめ

本書は宇城先生の数々の著書の中でも武道経験者や格闘技やスポ-ツ選手のみならず全ての日本の方にとって永久保存版と言っても過言ではないくらい素晴らしい内容だと感じております。

何度も読めますし、何度読んでも気付きや感動があります。

最後に5点の感想を繰り返しご紹介します。

  • 武道の原点
  • 身体脳の開発
  • 呼吸と呼吸力
  • 武道の原点を考える
  • それからの宇城空手

本書の中でも特に重要な章は第六章の先生のインタビューの部分と私は感じますが、正直に言いますと本書の中の全ての内容が重要で上手く表現が出来ませんが無駄なところは一つもありません。是非とも読んでいただきたい!

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